派遣元と派遣先、どちらが労務管理者?構造の基本解説

リゾートバイトを含む「派遣」という働き方では、実際に働く職場と雇用契約を結ぶ会社が異なります。そのため、労務管理はどちらが担当するのかという疑問を持つ人も多いでしょう。ここでは、派遣の構造と役割分担をわかりやすく整理し、トラブルを防ぐための基本知識を紹介します。

1. 派遣の基本構造とは

派遣労働は、「雇用関係」と「指揮命令関係」が分かれているのが特徴です。

  • 派遣元(あなたが契約する会社):あなたを雇用し、給与の支払い・社会保険の加入・労働条件の管理などを行う。
  • 派遣先(実際に働く職場):業務上の指示や勤務スケジュールの調整を行う。

つまり、雇用関係は派遣元に、業務上の指揮命令は派遣先にあるという二重構造です。

2. 労務管理の中心は「派遣元」

労働基準法や労働者派遣法上、労務管理者(=雇用責任者)は派遣元企業です。派遣元が行う主な管理内容は以下の通りです。

  • 雇用契約の締結・更新
  • 給与・社会保険・雇用保険の管理
  • 勤務時間・残業・休暇の把握
  • 労働条件通知書の交付
  • 安全衛生教育・健康診断の実施
  • トラブルやハラスメントの相談対応

派遣先で何か問題が起きた場合でも、最初に相談すべきは派遣元です。派遣元が労働者の権利を守る立場にあります。

3. 派遣先の役割は「現場の指揮命令」

一方で、実際の勤務現場では派遣先が日々の仕事を指示します。派遣先の主な役割は次の通りです。

  • 業務内容や作業手順の指示
  • 勤務シフトや休憩時間の管理
  • 職場の安全確保
  • 派遣スタッフへの業務上の評価や報告

ただし、派遣先が労働契約上の権限を持っているわけではないため、給与・契約変更・解雇通知などは派遣元を通じて行う必要があります。

4. トラブル時の相談ルート

リゾートバイトの現場では、「上司に言われたから仕方なく残業した」「休みの取り方がわからない」など、曖昧な場面が起こることもあります。その際の基本ルートは以下の通りです。

  1. 現場の派遣先責任者にまず相談(業務上のこと)
  2. 改善されない場合や契約違反の疑いがある場合は、派遣元の担当者へ連絡
  3. それでも解決しない場合、労働基準監督署や労働局へ相談

「派遣先に遠慮して言い出せない」と思うかもしれませんが、契約上の権利は派遣元が守る義務を負っているため、安心して相談しましょう。

5. 二重管理に見えるが“役割分担”が鍵

派遣労働は、派遣元と派遣先が明確に役割を分けることで成り立っています。トラブルが起こるのは、多くの場合「どちらに相談すべきかが曖昧なとき」です。

  • 給与・契約・保険 → 派遣元
  • シフト・仕事内容 → 派遣先
  • ハラスメント・安全管理 → まず派遣先、その後派遣元にも報告

この線引きを理解しておくことで、現場で混乱することがなくなります。

まとめ:派遣元=労務管理者、派遣先=業務指揮者

リゾートバイトの派遣構造を一言でまとめると、「雇用の責任は派遣元」「仕事の指示は派遣先」です。どちらか一方に偏った関係になるとトラブルのもとになるため、双方の役割を理解しておくことが重要です。

契約内容や勤務条件で不安がある場合は、遠慮せず派遣元の担当者に確認を。正しい仕組みを知ることで、自分の立場を守りながら安心して働くことができます。

著者
リゾバ×副業ライフ実践者
はたらく旅子

フリーランスWebライターをしながら、年に数回リゾートバイトで現地生活を満喫中。働く場所を選ばない自由なライフスタイルを模索しつつ、「副業×リゾバ」の両立体験や、ネット収益との組み合わせ方も紹介しています。

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